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笑うことしか出来ない私へ
第3章 優しいフリ

こうたと一緒にご飯を食べて
テレビを見ている。
昼12時を回って
こうたが帰ると立ち上がった。
「え、もう?」
「今日は帰るからな。」
「…うん。」
嫌だ…寂しい。でもこれ以上は止めても無駄だよね。
「いちこも今日は仕事だろ?」
「うん。」
「じゃあ、また来るよ。」
「今日?」
「お前、子供かよ。今日はもう来ないよ。」
「………いつ?」
「…いつって言われてもな…
じゃあ、土曜日仕事が終わったら来るよ。
飯でも食いに行くか?
あ、お前土曜日は忙しい?
水商売は土曜日が稼ぎ時だろ。」
「休む。」
「そこまでしなくていいよ。
仕事には行けよ。」
「こうた、土曜日じゃないと来れないんでしょ
だったら休む。いいの、私古株だし
基本的に毎日出勤してるからたまに休んでも大丈夫なの。」
私の言い分と勢いに呆れたのか
こうたは苦笑いで「あ~そう。」とだけ言った。
その後、こうたは帰って行ってしまった。
寂しい。
部屋に一人。
連絡先も知らないけど
土曜日を心待ちにこうたを信じて待つことにした。
私は仕事の準備を始めた。

