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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第26章 悪しき夢(結実)
 物事というものはひとたび悪い方へ転がり出すと、それが続くものである。その同じ日の昼前、瑶子は庭で姫小百合を一輪だけ伐った。
 折角美しく咲いている花を手折るのは忍びないけれど、とても美しく咲いていたので、頼経に見せたいと思ったのである。昨夜は結局、気まずいままに二人ともに寝てしまい、今朝もそれは続いていた。
 二人で取る朝食に姿を見せたものの、頼経は殆ど喋らず瑶子とも視線を合わせようとせず、表へそそくさと戻っていった。
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