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やさしいキスをして?
第10章 番外編

『ありがと、あさひ。』
『ううん、明日は学食にしようね?』
あさひの教室前。泣き顔も落ち着いた私は、廊下まで見送りに来ていた。すると…
『もー何やってるのよ、三島くん!』
『ああ…ハハ、すまない。』
三島くんとポニーテールの女子が職員室の方から歩いて来た。
(あ…!)
私と目が合うと三島くんは一瞬立ち止まって
ペコッ
すぐに目の前を通り過ぎて行った。社交辞令みたいな、会釈だけ残して。
『な…何いまの…!』
『あさひ、いいから…』
『良くないよ!あんな他人行儀なことして、あいつ…!』
『いいの、私が悪いんだもん。今日にでも、LiNEで謝ってみるわ。じゃあまたね、あさひ』
心配そうなあさひを置いて私もクラスに戻った。
「三島くんなんか、大っ嫌い」
きっとあれが原因。三島くんからのLiNEは、あの試合の日からなくなった。私、ちゃんと謝らなきゃね…

