この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
やさしいキスをして?
第10章 番外編

『行きましょう。』
そう言って歩き出す三島くん。だけど私は…
『こっ…ここでいい!』
言うが早いか、走り出していた。
『え、園山さ…?!』
三島くんを置き去りにカカカッと階段をかけ降りる。駅を出てしまえば、うちのマンションは目と鼻の先。今まさに、点滅し出したあの信号を渡るだけ…!
『…園山さんっ!』
『…………っ!』
たかが知れてる私なんかの全速力…三島くんが叫んだ時にはもう、信号は赤に変わってた。横断歩道の前で立ち止まる私に、三島くんは間もなく追いついてきた。
『ハァ…ハァ…どうしたんですか?急に走ったりして…』
『ハァ…ハァ…ハァ…………』
いいわけなんて考えてない。夢中で走ってきたんだもん。……何で追いかけてきたの?

