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やさしいキスをして?
第10章 番外編

僕が初めて彼女を見たのは、中学に入学したての頃だった。
その日のメインイベント、各部活動のオリエンテーションが終わり、新入生が一同に帰宅し始めた廊下の一画。
『…あ、しまった。』
教室に忘れ物をしたことに気づいた僕は、下校する人の波に逆らって通路の端を歩いていた。
ドンッ!!
『…んだよ、邪魔だろ?』
『すみません…』
明らかに突進されたような気もするが…背の高い男子とぶつかったせいで、かけていた眼鏡がズリ落ちた。誰かに踏まれないうちに拾わないと…そう、焦っていると
『うわっ!』
急に学ランを掴まれて、人波の外へ放り出された。

