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やさしいキスをして?
第10章 番外編

『園山さんには来て欲しい…こんなチャンス、僕には二度と来ないだろうから…』
僕が苦手なサッカーを始めたのは、園山さんの視界に入りたかったからだ。それがやっと叶う。だから彼女に見て欲しい…
『また大げさだな?二度と来ないチャンスってことはないだろ。おれ達まだ二年になったばっかだぜ?これからバンバン、レギュラー狙っていけばいーじゃんか!』
『……お前と僕は違うんだよ。狙ってなれるようなレギュラーじゃないんだ、僕には。』
来て欲しい反面、上手いプレーが出来る自信は毛頭ない。情けない自分を見られることが恥ずかしくあるのも、また事実だ。
『ったく…頭のいーやつの考えることは分かんないけどな、ミッシー。とにかく戦え!男は目標に向かってひたすら戦うんだよ、たとえカッコがつかなくてもな!』
バンッと大きな音を立て、僕の背中に叩きつけた平手を上げて、岩本は拳を握った。

