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やさしいキスをして?
第10章 番外編

『こんなコーヒー初めて。香ばしい!』
『挽きたてだと香りが立ちますからね。ちなみにそれは、ものすごく薄く出したものです。こっちも同じ豆のコーヒーですよ。』
三島くんは別の試飲カップをくれた。
すかさずクイッと飲んでみたら…
『うえぇ…にっがぁ〜…!』
今度のは、いつもの苦手なザ•コーヒーの味だった。これがさっきのと同じ豆って本当?!……っていうか!
『う〜う〜!』
とりあえず、お水!!夢中でゴクゴク飲んでると、向かいの三島くんの肩が小刻みに震えてるのに気がついた。
『も…もう、何笑ってるの!』
『あ、すみませ……!園山さんの反応が、あんまりにも…っ//』
『何よぉ、苦いのダメって言ってるのに、あんなの飲ますからでしょ//!』
三島くんはまた、顔を隠して俯いた。私の苦い顔が、そんなに面白かったのかしら?!
『もう!いつまで笑うのぉ!』
『いや、あの…//ハハハ、すみません…』
『いいの?いつまでもそんなだと、笑ってる隙に私食べちゃうんだから!なくなっても知らないからね、三島くんのケーキ!』
父の日の贈り物の為にここへ来たのに。いつの間にか目的を忘れたまま…カフェで楽しんだだけで、この日は終わってしまった。

