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やさしいキスをして?
第10章 番外編
〈三島 side〉


『うーん…』


帰宅して風呂と夕飯を済ませた後、いつも通りに勉強机へ向かう。広げた宿題の上に鎮座しているのは僕のスマホだ。


『ウサギかクマか…』


一向に宿題がはかどらない原因は、LiNEのスタンプ。僕は使ったこともない絵柄を、かれこれ30分は眺めてため息をついている。


『はぁ…バカバカしい。さっさと宿題を終わらせよう。』

カチッ
画面を消して、スマホを机の端へ追いやる。

『…………』

『…………』

『…………』

カチッ

『……やはりクマか?』


この下り、一体何回目だろう。スマホを端に寄せては引き寄せて、結局スタンプを眺めている…我ながら、時間の無駄にも程があると思う。





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