この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
やさしいキスをして?
第10章 番外編

『だけどそんなの、本当の友達なんかじゃない。みんな優しくしてくれていただけ。結局は私のことなんて、すぐに忘れてしまうんだから。』
さよならしたら、そこまで。友情なんて、その場限りの上辺だけのものなんだって…私は分かったの。
『引越してもずっと友達でいよう…なんて嘘。そんな友情ありもしない。』
『マドカちゃん…』
少しの沈黙の後。倉田さんは、まるで諭すみたいな声で切り出してきた。
『ねぇ、嘘の友達なんていないよ?引越しする前の友達は、本当にマドカちゃんのこと忘れちゃってるの?』
『……あなたに、何が分かるのよ。』
たくさんの友達に囲まれて。毎日笑顔で楽しいって顔してるあなたには、分からないでしょ。あなただってその笑顔…全部が本物だって言えるの?私に向けてるのは上辺の愛想笑いじゃないって…言い切れるの?!

