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やさしいキスをして?
第10章 番外編


さっきまで普通だった、倉田さんの声が大きくなる。彼女がこんなに声を荒げる所は初めて…


『最近、元気がなかったのはこれが原因でしょ?マドカちゃんが迷惑でも、あたしは勝手にやるもん!だって…だって…マドカちゃんは笑ってる方が絶対にいいんだから!!』

『……何よそれ。いかにも優等生みたいなセリフね?それで私が喜ぶと思うの?あなたのそういう所が…私は嫌いなのよ。』


私のことを思ってる、みたいな言い方。だけどそんなの嬉しくなんかない。
知っているの。
それは仮初めの言葉だって…


『今までだって、そうよ…』


前の学校も。確か、幼稚園の時も。


『私と仲良くしてくれるのはいつも…倉田さんみたいな、明るくて誰にでも優しい…友達がたくさんいるような子達だった…』


困っていると助けてくれて。
「大丈夫?」「一緒にやろうよ」
「皆、マドカちゃんも入れてあげて」
そんな風に気遣ってくれるのが嬉しくて。優しい友達が出来たって喜んでいたけど…



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