この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
やさしいキスをして?
第10章 番外編

さっきまで普通だった、倉田さんの声が大きくなる。彼女がこんなに声を荒げる所は初めて…
『最近、元気がなかったのはこれが原因でしょ?マドカちゃんが迷惑でも、あたしは勝手にやるもん!だって…だって…マドカちゃんは笑ってる方が絶対にいいんだから!!』
『……何よそれ。いかにも優等生みたいなセリフね?それで私が喜ぶと思うの?あなたのそういう所が…私は嫌いなのよ。』
私のことを思ってる、みたいな言い方。だけどそんなの嬉しくなんかない。
知っているの。
それは仮初めの言葉だって…
『今までだって、そうよ…』
前の学校も。確か、幼稚園の時も。
『私と仲良くしてくれるのはいつも…倉田さんみたいな、明るくて誰にでも優しい…友達がたくさんいるような子達だった…』
困っていると助けてくれて。
「大丈夫?」「一緒にやろうよ」
「皆、マドカちゃんも入れてあげて」
そんな風に気遣ってくれるのが嬉しくて。優しい友達が出来たって喜んでいたけど…

