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第10章 番外編

『マドちゃん家も方向こっち？おれらもだから、一緒に帰ろっか。』


返事をする前にはもう、二人は私を挟んで左右に並んでいた。


『今から帰るとこ？遅いね？』


伺うように覗き込んでくる、倉田さん。彼女はこうやって…あのことがあった後も、以前と変わらず話しかけてくる。


『おれらはさ、さっきまで友達ん家寄ってたんだ。マドちゃんは、何してたの？』

『……うん、まぁ…ちょっと。』

『ねぇ、もしかして何かあった？最近マドカちゃん、元気ないよね…？』


何でこの子…普通に話してくるんだろう。
面と向かって嫌なこと、言った相手なのに。


『…別に何もないわ。ふつうよ。』

『………』


心配してる風に言うけれど…本当は、何を考えているの？優しく接して…いつか仕返ししてやろうとか…思ってるんじゃないの？