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せめて夢の中だけでも
第39章 一生俺のもの。
実家までは片道車で1時間程度の少し離れたところ。
今まで…あまり家族の話はしなかった。
車の中で、秋雨が家族構成などを聞いてくる。
秋雨と一緒に過ごし出してから…
実家には、顔を出していない。
電話も…忙しいからと出ないことが多かった。
特に…仲が良いわけでも、悪い訳でもない。
「姉と妹が2人。お父さんは…普通の公務員よ。」
「へぇ、三姉妹なんだ。」
ハンドルを握り運転する秋雨の横顔を見た。
彼は微笑んでいる。
…私は自分の家に向かっているのに
ひどく緊張してるのに…挨拶も慣れてるの…?
私は視線を外へと向けた。
…心なしかスピードが速い。
「…緊張するね」
そう聞こえ私は再度、秋雨へと視線を向ける、
彼は真っ直ぐ見つめ笑ってはいるが
片手を私の手へと重ねた。
…手汗で手が湿っている。
「やばいよね。もう、やばいんだ。」
苦笑…だったのか
今になって秋雨の緊張が伝わった。

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