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せめて夢の中だけでも
第5章 静止の手。
「えっ?」
呼んだのは間違いなく横に立つ彼…
秋雨だった。
「「えっ?」」
他の三人の声も一斉に重なった。
その瞬間…目線の先にいた隼人の彼女の顔は
驚きに満ちていた。
秋雨と私を何度も見て
混乱にも似た顔を見せていた。
…何?何なの?
私には二人の表情の意味が全く解らなかった。
隼人を見れば秋雨を不機嫌そうに睨んでいる。
「何で五十嵐さん、先輩の名前知ってるんですか?」
その言葉に秋雨は私をみて
薄い笑みを浮かべた。
そしてゆっくりと顔を近付け
みんなに聞こえるように耳打ちした。
「凛。バレちゃったら仕方ないよね?
このまま逃げちゃおうか?」
そう言って私の手首を掴み引っ張った。
しかし、私は反対の腕を掴まれ
後ろへと引っ張られた。
「俺の同僚に気安く触んないでもらえない?」
目の前の男2人が…私を挟んで
無言で睨み合っている…
何?これ?…

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