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せめて夢の中だけでも
第38章 知らないあなたも私は知りたい。
それからというもの…何故か…何故か!!
私たちのマンションに…
壱君はいる。
「おはようございます!凛さん!
朝ごはんでーす!」
可愛いピンクのフワフワとしたパジャマを着て
カツラがないから風貌は男のコだ。
けれど、私より女の子らしい。
「…ありがとう。」
まだ、温かいコーンスープを飲むと目が覚めてきた。
「あれ?秋雨は?」
「今日は各店合同の報告会らしいです。
朝一なんで、もうでましたよ。」
「…しらなかった。なら寝ずに行ったの?」
「ですねぇ…」
二人の空気は何故か重い。
私にとっては男でも…彼にとっては私はライバルだ。
「ねぇ。」
壱君が背中を向けながら私に話しかける。
「ん?」
「俺…諦めないから。」
「………うん。」
何だか少し、可哀想…。
でも、このままここに居られるのは…
エッチもキスも何も出来ないじゃないっ!!

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