この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
せめて夢の中だけでも
第38章 知らないあなたも私は知りたい。
1時間ほど経っただろうか、
ユウキ君が頭を下げカウンターを後にした。
そして…
替わりに秋雨が一例をして
カウンターへと入る。
わぁ…と女の子の声が聞こえる。
いつも常に一緒にいるはずの私でさえも
秋雨に見とれて何も言葉が出なかった。
チラッと私をみた秋雨は私とは逆の方へ行く。
替わりに目の前には壱君。
「眼鏡…」
そう呟かれて壱君の方を見る。
「今日は秋雨さん、眼鏡してますね。」
「そうだね…」
「これじゃ、俺の主役取られちゃうよ」
ハハっと短く笑う壱。それにつられて私も笑う。
「なんで秋雨さんなんですか?」
その消え去りそうなほど小さな声が
私の耳へと届いた。
「えっ?」
「秋雨さんの何が好き?」
笑っているけれど…笑っていない壱君。
そして、
「凛さんの知らない秋雨さん、教えてあげようか?」
低い、低い一言だった。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


