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せめて夢の中だけでも
第37章 日々、成長中
ジッと見入っていると
秋雨の手が止まる。
「凛ちゃん…そんなに見ないで。」
「えっ…あっ…ごめんなさい」
私が下を俯くと
秋雨の手が伸び、私の頭を撫でる。
対面式のキッチンのシンクに少し手をかけた秋雨が
徐々に私の顔へと近づいてきた。
「やっぱり…今日は作るのやめるね。
夜食…食べるよ。」
えっ?
シンクの中には…確かにまだ
私が作った夜食を食べたであろう証拠の
食器が水に浸かっていた。
「秋雨…食べたんじゃ…」
「夜食は…凛ちゃん。君だ。」
私の後頭部に手を回しグッと力を込め引き寄せられた。
いとも簡単に奪われる唇。
舌を割り込ませ…歯列をなぞる秋雨の舌。
一瞬で頭が真っ白になる。
ゆっくりと唇を離すと
少し辛そうな顔をした秋雨がそこにはいた。
「ここじゃ…やり辛いね。ごちそうさま。」
…アレ?もう終わり…?
秋雨は切った野菜をボウルに入れると
冷蔵庫へとしまい、片付けを始めた。

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