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せめて夢の中だけでも
第35章 友情
仁さんを騙すあいつが…憎かった。
俺に好きだと愛してるだの言うあいつも
嫌いだった。
だから…今回も…仁さんと煌を…
あいつから引き離したかったんだ。
でも…今回は
触ることさえ出来なくて…いつも吐いてた。
…情けない…
俺の心の中は、凛ちゃんしか住めないらしい。
「秋。人の心は縛れるもんじゃない。
それを俺は知ってる。
だから、遅かれ早かれ…朱里とは別れてたと思う。
でも…悪かったな。
ありがとう。」
仁さんが俺に笑顔を向けた。
俺の良き理解者で…
大親友だ。
「あんたがもっとしっかりしないからだよ?
仁さん、女に甘すぎたんだよ!
沙織ちゃんに騙されても俺、助けないからね?」
「アホかっ!」
仁さんが俺の首をホールドし、
二人でギャァギャァと騒いでいると
目の前でバイトの奴が…
困惑の表情で立ち尽くしていた。

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