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第29章 宣戦布告

「…何で…その名前知ってるの？





煌か…」






私は思わず俯いて…何も言えなくなってしまった。



「そうだよ。朱里。
俺は代表だし、あっちは責任者だから…
こうやって連絡取るときがあるよ。

でも何もないから」



真っ直ぐ私を見て秋雨は言った。


「そんなの解ってるよ！」


私は秋雨を見上げて無理に笑顔を作った。
秋雨も優しく笑うけれどどこかいつもと違った。



…聞かない。何も。











私たちは隼人が泊まるホテルで別れた。

「凛ちゃん。終わったら連絡するから。」


私の頬を触る手はとても冷たかった。


「うん。待ってるね」


私がその手にそっと触れると
秋雨は微笑んでくれる。



「…ちゃんと迎えに来いよ。」


隼人が念を押して言う。
彼はとても鋭い…それを忘れていた。



「当たり前。」



秋雨は隼人に笑うと
踵を返して来た道を帰っていった。