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せめて夢の中だけでも
第26章 同じ気持ちだって解ってよ?
その手に秋雨も自分の手を重ねる。
そっと私の手を掴み、その手を自分の口元へ運んでいく。
チュっ…と音を立て
秋雨は私の手の甲に唇を落とす。
「愛してるよ…世界で一番。」
真剣な秋雨の目が私を射抜く。
暗闇に目が慣れて…彼の綺麗な顔が
ハッキリと浮かび上がってくる。
…愛おしい…
「もうっ…反則…」
私が顔を下へと向けると
髪の毛に、キスをする。
愛が溢れるってこういう事なのかも…
本気でそう思った。
「…指輪してくれてないね…」
彼の手が私の左の薬指をそっと撫でる。
「あっ…うん…」
「どこ?」
「カバンの中…」
「取ってきていい?」
そう言って私のカバンへと手を伸ばす。
そして…秋雨は
とても怖いくらい笑った…

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