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せめて夢の中だけでも
第22章 明日が晴れなら…。
「先輩っ。お先に失礼します!!」
5時ジャスト。
沙織ちゃんはパソコンの電源を落とすと
急いで帰ってしまった。
「デートかしら?」
「だろうよ。アレは」
私もしばらくしてから会社を出た。
今日は秋雨の店に行っても秋雨はいない。
秋雨の店の方へ続く道を見ながら駅へと向かった。
ふと、隼人とデートした日のことを思い出した。
あのキラキラと輝くガラスのグラスを
もう一度見に行くことにした。
「秋雨とお揃いで持とうかな…」
軽い気持ちでそのお店の方へと足を進ませた。
いろんなお店が並ぶその街路樹。
もうすっかり暗くなり始めていて
イルミネーションが点灯し始めている。
その通りには某有名ブランドのお店が何軒か並んでいる。
XmasSALEなど書かれた札が
何箇所かに貼られていた。
意識なんてしていなかった…
無縁な話だとボーっと見つめるその先…
「あれ?沙織ちゃんだ…」

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