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せめて夢の中だけでも
第15章 騒つく心
…どのくらい眠っていたのだろうか…
重い目を開けると無機質な蛍光灯が並んでいた。
「あっ…私…」
体を、起こすとズキっと頭が痛んだ。
「凛。目が覚めたか…」
扉が開き隼人が入ってきた。
辺りを見るとここは病院らしい…
「私…迷惑かけたね…」
「全く。驚かせんな…
睡眠不足だって。」
「…睡眠不足…」
情けない…本当。
「明日は会社休めよ。」
そう言うと横の椅子に座り私の手を握った。
秋雨とはまた違う温かさが私を包んでくれる。
「やっば…何が何でも止めれば良かった。」
「えっ?」
「誕生日のイベント…行かせたくなかった。」
ドキンっ…ドキンっ…と胸が騒がしい。
「隼人…おかしいよ?
隼人こそ、熱があるんじゃないの…?」
堪らず声を出したが
隼人は黙ったままだった。

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