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せめて夢の中だけでも
第14章 不思議な男
「何…二人で内緒話してんの?」
後ろから声がする…。
恐る恐る振り向くとカウンターに
頬をつけ顔だけこちらを向いている秋雨。
「…起きたの?」
「うん。ってか…仁さん。離れて。
凛ちゃんに触らないで。
凛ちゃんが妊娠しちゃう。」
「お前には言われたかねぇーよ。」
仁さんは私の頭をクシャクシャと撫でる。
「きゃっ!!」
「…………」
秋雨は何も言わず私たちをじっと見ていた。
「俺、明日絶対店出ない。」
秋雨はパソコンを折りたたみ
外へと出て行ってしまった。
「…秋雨。」
「ハハハっ。ヤキモチだな〜。」
「…ヤキモチってそんな…」
秋雨にヤキモチ妬かれる立場じゃないし…
秋雨に妬かれたら世間の視線が刺さるわよ。
「行ってやんなよ。待ってるよ…多分ね」
仁さんは秋雨の反応が面白くて堪らない様子だった。

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