この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
せめて夢の中だけでも
第14章 不思議な男
「…つけた?」
「何を?」
「…キスマーク…」
「へぇ。これキスマークって言うんだ。」
秋雨は私の首筋の赤い印を指でなぞる。
私の体が、小さくピクッと反応する。
「隼人君に見せといてね」
そう言って私から離れると
何事もなかったかのように椅子に座りなおした。
カタカタっとキーボードの音が響く。
…女たらしっ…慣れすぎよっ!
私は席を立つと洗面所へと向かった。
鏡を見ると…やっぱり
小さめではあるが赤い印が咲いていた。
「…はぁ。明日仕事なんだけど…」
諦めて洗面所から出ると
秋雨は、カウンターに突っ伏し眠っていた。
「…疲れてるのかもね…」
彼の横に座りなおし、
その寝顔を見つめた。
この寝顔は…初めて会ったときに見た。
私はおもむろに彼の髪を触った。
ワックスで固めていても、柔らかいその髪は
女性のようだった。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


