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Only you……
第3章 麻都 2

「体、熱いぞ?大丈夫か?」

ぐったりと明にもたれかかったままの俺に、尋ねてきた。もう全身に力が入らない。頷くことも、声を出すこともできなかった。ただ、これは一時的なもので、明と仲直りできた今、放っておけば体調はすぐに良くなるだろう。

「あ、おい、寝るのか?」

ぜーぜー息をする。だるいな……。

「ちょ、ベッドまで待ってって! ほら、立って! ちょっと――」

そんな声が聞こえたような、聞こえていないような。そんな中、俺は眠りについた。明の困ったような叫びが耳に入って、それから出ていった。



それは雨が振りそうで降らない、そんな微妙な日曜の夕方だった――。


「あ……」

街の中を歩いていた。特に目的はないが、暇つぶしに。

ふと路地裏の方に目をやると、綺麗な顔をした少年が座り込んでいた。瞳には冷たい光が射していて、恐ろしいほどに可愛らしい姿をしていた。見た目は少女にも見える。いわゆる中性的なスタイル。

無意識のうちに俺は、少年のもとへとふらふら歩いていった。

少年は俺を見上げた。大きい瞳から鋭い光がうかがえる。特に不審に思ったり、警戒している風ではなかった。

「ねぇ……」

俺よりも先に、少年が口を開いた。

「ねぇ、オレを買わない?」

その意味が分からず、俺は戸惑った。

「ヤらせてあげるから、お金ちょーだい」

「……」

一瞬迷ったが、すぐに手を伸ばし少年を立ち上がらせると、俺のマンションへと向かった。
 

――結局一目惚れだった。


――その寂しげな瞳があまりに俺自身に似ていて、その姿があまりに美しすぎて。


金額は関係ない。俺はすでに副社長の地位を築いており、金には全く困っていなかった。むしろ余るほどだ。

少年の方も、慣れているようだ。普段からこのような売春行為に及んでいるのか。
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