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《番犬》が女に戻るとき...
第13章 球技大会 ~汗と鉛と、苛立ちと~

「はは…、今は男の子たちで盛り上がってるから」
優勝したバスケチームを筆頭に、調子にのった1組の男たちは教室で騒ぎまくっていた。
仕方なく女子は他クラスに避難中というわけなのである。
それを聞いた茜が箸をおいて席をたった。
「黙らせてくるよ」
「えっ」
「いや、注意してくる…」
梗子が心配そうな顔を見せたので慌てて言い直す。
そして教室を出ていった──。
“ 篠田も騒いでいるのか?もしそうなら調度いい…あいつを見せしめにしてやろう ”
廊下に出ただけで五月蝿い声が聞こえてくる。
茜は1組に狙いを定めて歩いた。
“ ん?あそこで教室をのぞいているのは… ”
「…細井さん」
「──(ビクッ)、あ…っ」
「どうした?」
後ろから茜に声をかけられ
絵美は不意打ちに驚いて振り返った。

