この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
異常性愛
第19章 変わらないもの
『あの時ね、ママ 再婚のお話があったのよ。
相手も離婚した人でね。
パパと離婚して五年ぐらいだったかな。
そうしたら大輔とも本当に逢えなくなる。
それで最後にこっそり見に行ったの。
チームの監督さんに電話して
大輔は頑張ってますかって?
頑張ってるよ、内緒で見に来なさいって、
監督さん言ってくれてね。
決勝だから絶対見てやってくれ、
大輔ならやってくれるからって。
いい人ねぇ。あの監督さん。
あの試合で大輔の泣いてる姿見てるとね、
あなたに何もしてやれてないのに、
ママだけが幸せになっちゃいけないって気がして。
それで再婚、断った。
大輔が幸せになってくれるまで、
ママはここで
お婆ちゃんと一緒に居ようと決めたのよ。
今日逢えるなんて、ママ、うれしくて・・。』
母はまた泣き始めた。
再婚せず、一人でいることが私への償いだった。
母は人生をやり直す機会を自ら捨てた。
そして人知れず私に詫び続けていたのだ。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


