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喘ぐなら、彼の腕の中で
第8章 2人の夜
タクシーのドアが閉まり、深夜の街を進んでいく。
莉央が運転手に告げた先は、会社から車で20分くらいの距離だ。
私の住んでる所から意外と近かったんだな……って、そんなこと今はどーでもいい!
お、俺のマンションって……
「〜〜なんでいきなりあんたの家に行くのよ!
するだけならどこだって…」
「俺の言う通りにしろって言っただろ」
「なによ、さっきから…」
「うるさい黙れ酔っ払い」
左側から腕が伸びてきた…
と思った時にはもう、肩を抱き寄せられていた。
「……っ」
無理矢理上げさせられた顔に、莉央の顔が近付いて
唇が重なる。
ぐっと強く舌を入れられた。
「……っ、ん…や…っ」
ビリビリと全身が痙攣して、脳が麻痺する感覚。
……体が一気に火照る。
抱きしめられた腕の力が凄まじくて
熱くて、痺れて、溶けそう……
「これ以上喋るなら、続けるぞ」
「……っ」
「……って、余計なお世話だった。
その様子じゃ問題ねぇな」
力の抜けた私から唇を離して、莉央は笑った。

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