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喘ぐなら、彼の腕の中で
第8章 2人の夜

─── 両腕を万歳させられて、パーカーを脱がされる。
それを床の上に放り投げると
莉央も手をクロスさせて、自分のTシャツを脱いだ。
「あれだけ泣かされたのに。
まだあのゲス男を想ってイけるのか」
「………」
「せっかく気遣ってやった意味もねぇ。
お前、正真正銘のドMだな」
莉央の引き締まった体が、私に覆いかぶさったから
彼の背中に両腕を回す。
「………」
今莉央が言った、‟ 限界を超える快感 ” を得る為の条件。
………分かってる、でも。
今から言う言葉が、心変わりしたからというわけじゃない。
ただ
あなたが今夜私を抱かないと言った理由を知って
結局あなたに ‟ 心 ” があるんじゃないかって思ってしまったから
「……莉央……」
「なに」
「……今夜
今夜だけは、莉央の名前を呼んでもいい?」

