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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第6章 真実を知る瞬間
「法明?」
 芳華は恐る恐る彼の名を呼んだ。だが、彼は返事もせず、芳華を抱えたまま大股で庭を歩いていく。牡丹園を横切り、彼が芳華を連れ込んだのは後宮の今は使われていない一角のようであった。
 何しろ妃が一人しかいない後宮には、空き部屋がごまんとある。無人の部屋は綺麗に掃除も行き届いている。たとえ使用されていない部屋でも宮女が毎日窓を開けて空気を入れ換え、掃除をしているのだ。
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