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第12章 幸福な大罪

私は横たえてた
身体を起こした


兄が隣にﾄﾞｽﾝと座った

　…見せて…

ｺﾝﾄﾞｰﾑの袋にはﾎﾃﾙの名前…


　…よく行くの？…


　…ん…一度な…　


　…誰と？…


　…お前の知らないやつ…


　…彼女？…


　…だった…
　　すぐ別れたからな…


　…好きだったの？…


　…努力はした…


　…何それ…


　…色々あるんだよ
　　　俺だって…


そういって
私の肩を抱き寄せた…


兄の複雑な顔…
聞いてはいけなかったのかもしれない…

以前の私なら
兄を問い詰めて
罵倒していたはず…

今はただ兄が愛おしい

色々な想いをして
私を望んでくれた…

そんな兄が愛おしい