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執事とお嬢様の禁断の模様
第4章 更なる山道
「…わかった?」
「っ………」
秀一は苦しそうに顔を歪ませてから、
こらえるように目を伏せた。
「っ…かしこまり、ました……」
苦しげな秀一の一言が、部屋にこだます。
「っ…ごめん、ね」
気がつくと、視界は涙で歪んでいた。
「っ…うぅっ…」
思わず、顔が歪む。
泣いちゃダメ……
わかっていても、勝手に涙は溢れてきてしまう。
「っ…私、もう秀一の恋人としては、
いられないのっ……」
私は秀一の目の前で、すでに
溢れだしている涙をこらえるのに必死だった。
涙がおさまるまではそこにいたけど、
秀一はずっと黙ってそこにいてくれた。
涙がおさまってきてから、私は秀一と目を合わせる。
少し秀一に笑いかけた。
「……じゃあ、ね。おやすみなさい」
「っ…おやすみなさいませ」
私は振り返らないようにして
その部屋を出て行き、自分の部屋に直行した。

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