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~散花~
第47章 魔物の栖

「いずれにしても、徹底的に追及させてもらうわ。今回、朱佳がしたことは、例えばわざと御寮の前に汚物をぶちまけるとか、厠に入っているすきに外から閂をかけて閉じ込めるとか、そういう下世話な嫌がらせを仕掛けるのとは次元が違うもの」
バンッと玲利が柱を叩き、玉蘭は現実に引き戻された。
そうだ――
これは、単なるいじめや意地悪の範疇を越えたことなのだ。
帝の寵愛を待ち望むあまり、まだ生まれていない…宿ってすらいない子供の命まで狙ってきた。
その執念深さに、後宮のそら恐ろしさを感じる。
これでもし本当に身籠ったときには、さらにえげつない攻撃を仕掛けられてしまうのだろうか。
(そんなのダメ!!)
玉蘭は、とっさにお腹を庇った。

