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~散花~
第47章 魔物の栖

(赤ちゃん…)
赤ちゃん…。
何度も口の中で繰り返す。
(そうか…。そうだよね…)
お腹に、赤ちゃん。
いつかきっと来てくれる、
(わたしの、お腹に…)
あたりまえだ。
だってそのために――
(わたしは秀瑛さまと…)
官能的な夜の営みを思い出して、玉蘭はひとり赤面した。
ちょっとくすぐったい。
(へんなの。当たりまえのことなのに…)
それでも、改めて「懐妊」とか「懐胎」という言葉を出されて、玉蘭はしみじみとした幸せに浸っていた。
まだ、宿ってもいないのに――

