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~散花~
第14章 前夜

隧道がどくんどくんと脈打っている。
玉蘭は虚ろな瞳で脚を投げだしていた。
すー…と呼吸が落ち着いていく。
典医が玉蘭の手をとった。股間へいざなわれる。
「挿れた薬がこぼれぬよう、しばらく指で門口を押さえておきなされ」
手が届かなくて、玉蘭は膝を屈曲した。
穴に指先をあてがうと、丸薬のコロコロした丸みを感じた。
「半刻ほどすれば溶けてなじむゆえ、そうしたら部屋へ戻ってよろしいですぞ」
「…はい…ありが…とうござい…ま……」
夢うつつの中、目礼した。
典医は隣の薬庫へ行ってしまった。

