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第14章 　前夜

｢玉蘭さま!?｣

運よく、医房から鶯燕館に繋がる歩廊を出たところですぐに女蔵人に出くわした。

女蔵人は玉蘭の姿を見るなり、跳び上がらんばかりに目を丸くした。

｢ななななぜこちらにいらっしゃるのですか!! 診察中のはずでは!?｣

｢それが、典医さまがなかなかお見えにならないから、もしかして場所を間違えてしまったのかと思って…｣

｢いいえ、医房の触診處で間違いありませんわ。玉蘭さま、すぐにお戻りください。すぐに｣

｢え、ええ。わかったわ｣

女蔵人の剣幕に、玉蘭はあわてて踵を返した。






医房へ戻ると、坊主頭の典医がにこにこ顔で待っていた。