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毒舌
第17章 別離の刻
「こんな私なんて早く死んでしまえばいいとずっと思って来たのよ。だけど今は幸せ」
クスクスと笑い
おりょうは
俺の髪に触れ
指先に絡めて遊ぶ。
「幸せ、……?どこがだ」
実の父親に
こんな目にあわされ
自由もねえ暮らし。
囚われた
鳥籠のおりょうが
どう幸せなのか
理解に苦しむ。
「貴方に逢えたからよ。貴方が愛してくれるから」
「そんなことがか?」
「そうよ。それだけで幸せ」
子どもを
あやすように言って
そのあと
また真剣な目になった。
「だから。私は貴方を護りたいの。ここにいては退治されてしまうのよ」
「なったらなったで俺はかまわねえよ」
「……なんですって?」

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