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half. ~Sweet blood~
第6章 達希の、香り…


「あー引っ張んな!今ゲームってやつやってんだよ、後にしてくんねー?それにお前等の香り俺には強すぎて他が分かんねーよ」



ピッ…



「雪斗てめーなー!切んなよ」


「頼む、すぐにでも情報が欲しいんだ」



顔の前で両手を合わせる昂は、焦りを隠しきれないようで何度も頼みこむ。



「ルシア、事が終われば好きなだけ血やる」


「言ったな、雪斗。死ぬほど吸ってやるから覚悟しとけよ。加減なんかしてやんねーからな」


「あぁ…それでもいい」



「チッ…」



舌打ちしたものの血が貰えると分かれば協力的になり、おもむろにマスクを外した。



箱を開ければ年数がたった紙切れや、キーホルダーがしまってあった。



「どんだけ前だよ、分かりづれーな」



一つ一つ手に取って嗅ぐもそれらは全て香りは薄く、街中にいたら区別が付きにくい。その時ルシアの手が止まり、確かめるように何度鼻から息を吸い込みはじめた…



「ユキ、それって」


「あぁ、達希からの手紙だ」



期待してんだろーけどな、気付けって。お前等いると香り混ざるんだよな…


「待ってろ」



俺は封筒を持ちベランダにでる。風がふき町の臭いが鼻に掠めた。花や土それに歩行人の香りが混じる…



スーッ、ハァー

何度か封筒の香りを嗅ぎ部屋に戻れば、期待に満ちた表情で見つめられた。



「だいぶ薄いけど香りはする、ただなぁー」


「ただ何だよ」


「好きな臭いじゃねー」


「お前の好みはいいんだよ、場所とかって分かるもんなのか?離れてても香りってすんのかよ」


「距離にもよるけどな、ただ雪斗達みたいに特別俺が好きな香りじゃない分わかりにくいかも」


「ルシア、何で他のは分かんなかったのに手紙だけは香りすんだよ?俺たちは全く分かんねーよ」



不思議そうに手紙を嗅ぐ昂。




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