この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
half. ~Sweet blood~
第2章 同情と、優しさ…

手際よくテーブルに並べると
自慢げな目で訴えられる。
「すげーなお前」
「教わったからな」
「あれか?島ってトコで」
「あぁ、売られる前に家事とか言葉とか教えられるんだよ。主に好かれるようにな」
「は?日本語話せるやつなんていんのか」
「違う、日本語のDVDとかをひたすら見んだよ。だから難しい言葉とかは分かんねー」
「ルシア、お前は何を見た」
「ヤンキーの青春アニメ」
「だから口わりーのかよ」
「普通じゃねーの」
いやいや、普通な訳ねーだろ。
何か間違って覚えてきてやがる。
「料理は?」
「一応先生がいた」
「ふーん、なるほどね」
幼い頃からの教育か、そりゃルシアみたいな無機質な子供が育つわけだ。しかもその教育が金の為とはな…
「なぁ、今日は血くれる?」
「あぁ、あれから飲んでねーもんな。でも我慢できるもんじゃねーのかよ?」
「雪斗のは特別なんだよ、香りがするんだ。めちゃくちゃ甘い香りがな。こんな香り初めてなんだ」
「体臭じゃねーの?」
「近いけど違う」
「分かんねーな、まぁいいけどよ」

