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*妄想社長に振り回されて*
第7章 土曜日と日曜日
「上手く……いったんですか?」

「ああ。麻希のお陰だ」

「…それは良かったですね」

ああ、やっぱり空気の読めないいつもの社長だ。
普通元カノ……一週間しか付き合ってないけど……にそんな報告しにくる?
傷ついてるんじゃないか、とか泣いてるんじゃないか、とかちょっとは遠慮するもんじゃない?

何かだんだんイライラしてきた。
過去にいろいろあった社長の言動までもがよみがえってくる。

だけど……これが社長なんだよね。
空気読めなくて被害妄想強くて……
そんな人を好きになっちゃったんだから仕方ない。

「これからは仲良くしてくださいよー」

「そうだなぁ、でも本当に久々に会えてすっきりしたよ。もっと早くに……って麻希!何で泣いて…」

社長が慌てて私に駆け寄った。
頬を勝手に流れる涙。
あんなに泣いたのにまだ出てくるのか。
人間の体って不思議だなぁ。

「う、嬉しくてですよ!だってそうでしょ?社長と香菜さんが上手くいったんですよ?嬉しくないわけないじゃないですか」

そう言い訳しながら涙を拭った。

早く……早く家に帰りたい。

「麻希……本当にありがとう」

「じゃ…じゃあ私はこれで。また月曜日に…」

社長の横をすり抜け部屋に入ろうと鍵を開けた。
ドアを開け、閉めようとしたドアに社長の体が入り込む。

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