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コンプレックス
第9章 弟の元カノ

「要らねぇし」
「いや、要るし!」
突き返そうとする琉。その腕の中で、愛里咲は必死にもがく。
「あの!
このお財布は、あたしに下さい」
「は⁉︎ 」
琉が使っていた財布を抱き締める芙由。
「いつでも琉さんを思い出せるように…持っていたい」
涙目に上目遣いで、芙由は琉を見つめる。
─────……一瞬の静寂の後、
「キモ…」
呟いた琉の口を、愛里咲が慌てて塞いだ。
「えええっと…前のお財布、返してもらっていいかな? 新しいお財布はお返しするから」
引き攣る笑顔を芙由に向ける愛里咲。
そんな愛里咲を睨み、
「……嫌です!」
芙由は財布を抱き締めたまま後ずさる。
「奥さんや子供がいたって関係ない! あたしは諦めませんから! やれるだけの事をしないと納得出来ない性格なんで!」
そう言ってまた、愛里咲を睨む芙由の腕が強い力で引かれた。
「ガキに興味ない。どっちの財布も要らねぇから」
紙袋と共に芙由を外へ投げ、琉は勢い良くドアを閉めた。
不機嫌な琉と苦笑いの愛里咲の視線が合わさる。
「面倒くせ……」
「……うん、嫌な予感」
そう言って、2人同時に溜息を吐き出した。
「いや、要るし!」
突き返そうとする琉。その腕の中で、愛里咲は必死にもがく。
「あの!
このお財布は、あたしに下さい」
「は⁉︎ 」
琉が使っていた財布を抱き締める芙由。
「いつでも琉さんを思い出せるように…持っていたい」
涙目に上目遣いで、芙由は琉を見つめる。
─────……一瞬の静寂の後、
「キモ…」
呟いた琉の口を、愛里咲が慌てて塞いだ。
「えええっと…前のお財布、返してもらっていいかな? 新しいお財布はお返しするから」
引き攣る笑顔を芙由に向ける愛里咲。
そんな愛里咲を睨み、
「……嫌です!」
芙由は財布を抱き締めたまま後ずさる。
「奥さんや子供がいたって関係ない! あたしは諦めませんから! やれるだけの事をしないと納得出来ない性格なんで!」
そう言ってまた、愛里咲を睨む芙由の腕が強い力で引かれた。
「ガキに興味ない。どっちの財布も要らねぇから」
紙袋と共に芙由を外へ投げ、琉は勢い良くドアを閉めた。
不機嫌な琉と苦笑いの愛里咲の視線が合わさる。
「面倒くせ……」
「……うん、嫌な予感」
そう言って、2人同時に溜息を吐き出した。

