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第24章 Lesson 健康診断

手のひらのキャンディに目を奪われる。

こういう然り気い気遣い…
似てるよね…。

聴診器を当てながら

「伊野さん…じゃぁいくつか質問していくので答えて貰えるかな…」

 ドクターは、年を取ってフレンドリーになったヤナセみたいだった。

実際は想像の域を超えてしまうけど。

「最近良く寝れてるかな…」

「はい…一時期…不眠症気味になりましたけど…最近は大丈夫です」

ワタリの２回目のレッスン以降は、精神的に落ち着いてきた。

「そう…良かった…食事もそうかな？」

「はい…寝れる様になって…食事もちゃんと摂れてます…」

「うんうん…」

穏やかに話しを聞いてくれながら、いくつか問診され…

「はい…もう大丈夫ですよ…細かい検査結果はまた、スクールの担当から受け取ってね…ちょっと疲れが溜まっているようだけど…貧血防止に鉄剤を少し出しておこうかな」

「はい…お願いします…」

畏まって返事すると、微笑みながら頷きカタカタとキーボードの操作を始めた。

その手つきは…見事なブラインドタッチで、いつも見ているヤナセの手つきの様だった。

やっぱりこの人…

ヤナセの血縁者だ…。

ヤナセとどの位置関係にいるかまでは分からないけど…。