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第24章 Lesson 健康診断

「い、いえ…知人に似ていたもので…」

「知人…？」

ドクターは問診票をチラッと確認すると…

また柔らい笑みを口元に浮かべ

「伊野さん…聴診器当てますので…胸元少し失礼しますね…」

ニッコリ微笑む顔は、いつも見る誰かと重なった。

「はい…」

聴診器を当て易い様に、検査衣の胸元を少し開く…

「ふっ…ごめんね…もう少し開けるかな…」

「あっ！すみません！」

こんな綺麗でダンディなドクターに看てもらうなんて初めてで、ただの検査だと分かっていても恥ずかしくて躊躇してしまった。

「女の子だもんね…恥ずかしいよね…」

優しく微笑んでフォローしてくれる表情が…
なんとも言えなく温かい。

キュンッ！

思わず胸がときめいてしまうと

「ん…緊張してるかな？」

「あ…いや…その…」

そりゃぁ〜！
ヤナセ家のテリトリー、緊張しっぱなしです！

「疲れちゃったよね…」

ニコニコ微笑み掛けてくれながら、ポケットから何か取り出して

「これ…終わったら食べてね…」

「あ…有難うございます…」

そう言って手のひらにキャンディを渡してくれた。