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第16章 Lesson 恩義

「里仲く〜ん！留守番有難う！」

買い物袋をぶら下げて、ニッコリと満面の笑顔でマスターが帰ってきた。

「いえ…大した事はしていないんで…」

ドッキン…

大した事…しちゃってたような…。

そうだよね…
マスターにはただの留守番になっているんだから…
でも、ゴムくれたのはマスターだけど…。

セイジの言葉にマスターは、一瞬だけジッと見て

「直ぐに客は来ないから、せっかくだから何か食べて行ってよ！留守番のお礼だからさ！」

「え…でも…」

セイジは遠慮しようとしたのか、私をチラッと見たけど、正直出来るだけ一緒に居たかった。

そんな気持ちを察してかマスターは

「琴ちゃんは、辛いの大丈夫？」

「辛いの？少しくらいなら…」

「オッケ〜！二人ともちょっと待ってて！お腹空いたでしょ！」

「お腹…空いた…」

途端…

ギュルルルル〜！

もの凄い音が鳴った。