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第25章 M Lesson ９回目

不安に押し潰されない様に、両手をギュッと握り締める。

固まっている私にヤナセは…

「簡単な問題じゃないと思います…お時間も掛かるかと…確かにあの旦那様とはコミニケーション取り難いかとは思われますが…」

「は…い…」

きっと先日の鉢合わせした時、旦那の発言や行動でヤナセは状況を悟ったんだろう。 

でも、これは私と旦那の問題だから、自分で解決しないといけないんだ。

「このままじゃダメだと思ったんです…ちゃんと向き合わないといけないと思って…でも…」

全然話しにならない…。

涙が溢れてきそうになってグッと堪えると同時に、言葉も飲み込んでしまった。

唇を噛んで俯いてしまうと、ヤナセは静かに立ち上がり…

ポスン…

隣に、座った。

腕を伸ばし…
肩と頭を包み込む様に抱き締められる。

頭がヤナセの肩に埋もれると、フワッと甘い香りが漂ってきた。

「慌てなくて…大丈夫です…」

顔は見えないが、穏やかで低めの声が頭上から降り注ぐ。

「元々…琴海様は受講ペースが早い方です…皆様大抵週一ペースですから…」

「そう…ですか…」

語り掛ける様に話すヤナセに腕を優しく撫でられ、気持ちが落ち着いてきた。