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Mの誘惑 -封じ込めた告白-  和田みさき著
第8章 落ちて行く私
 数十の視線に靡《なび》かされ、私はステージでよろめいた。自分の『ショー』は、プロの踊り子と比べて絶望的に洗練されていない。羞じらいよりも動揺を露呈させ、客には滑稽に映るだろう。だが、沈黙を強いられる観客はじっと自分を見つめている。醜態も失態もすべてを餌にしようと瞠目《どうもく》している。処女のぎこちなさをありがたがるように、初めて舞台に立った人妻の当惑を噛みしめている。
 噛めば噛むほど味の出る珍味のように、好奇心に噛まれた女体は妖艶を引き出される。
 「はぁ、はぁ……」
 立っているだけで焼けるほど火照り、ニュルッと不気味な汗が噴き出す。後ろ向きにうずくまりたい気持ちを募らせながら、背中のファスナーに手を掛け、ジリジリ下げていく。新しい肌が露出すると獰猛な好奇心が喰いついてくる。背中を剥き出しにしてワンピースの上半身を脱ぐ。
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