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あなたに抱かれたい
第5章 父が連れてきた女
駅の改札口は混雑している。
さすがに大衆の面前でハグすることはなかったが、それでも手を取り合って見つめあう二人は周囲の注目の的となった。
そんな光景を羨ましく見ていた一人の男というのが、篠塚家の隣人である間宮健作であった。
『おや?あの男…確かお隣のオッサンじゃねえか』
この間宮という男、株のトレーダーをしていて、定職にも就かずブラブラしているが、株で大儲けして資産だけは一人で使いきれぬほど稼いでいた。
それほどの資産家なのに、なぜか女にはモテない。
デブ、ハゲ、チビという三大要素が祟って女性からは嫌われてばかりだった。
それでもお金だけはたくさんあるので、毎晩のようにデリヘル嬢を呼んでかなり遊んでいる。
だが、所詮、客とデリヘル嬢の関係は恋愛に成就しない。
そこで婚活アプリを利用して嫁探しをしていて、今回もまた婚活の相手に会うために外出をする途中だった。
『世の中、理不尽だよな
ちょっと顔がいいだけで、あんな中年のオッサンに彼女がいて、この俺は女に見向きもされねえんだから』
婚活で、いやというほど見合いデートをしたが、
すべての女性からノーを叩きつけられた。
それもそのはずで、アプリに登録している自分の画像は、これでもかと加工して本人とは似ても似つかぬ男に仕上げてしまっているからだ。
婚活アプリに登録している女性は言わずと知れた伴侶を求めて真剣な交際を願っている女性ばかりだ。
それなのに擬似餌で魚を釣ろうとするかのように第一印象であるプロフィール画像からして騙すような男に女が好意を持てるはずもなかった。
間宮は、本日待ち合わせをしている女性のプロフィール画像をもう一度眺めた。
自分よりもかなり背が高いけれど、蚤の夫婦って言葉があるように女が背が高く男が低いバランスの合わないカップルの方が上手く行くと言われている。
『今回こそ上手く行くさ、お相手の女性も高身長ゆえに何度も男とカップリングが成立していないようだし、きっと焦っているに違いない。まあ、強引にホテルに連れ込んで抱いてしまえばこっちのもんだ』
間宮は拓哉に一瞥をくれてやると、意気揚々と改札口を駆け抜けた。

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