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あなたに抱かれたい
第8章 フォトウェディングを終えてハネムーンへ

翌朝、ハネムーンに向けて拓哉夫妻は出国ロビーで眠気覚ましのコーヒーを飲んでいた。
苦いエスプレッソを喉に流し込んでも頭は冴えてこない。

『さすがに四十を越えて一睡もせずに一晩中ヤリまくるというのは体に堪えるな…』

自分ではまだまだ若いつもりでも、寄る年波には勝てそうもなかった。
その点、二十代前半の久美子は生き生きとしている。
目の下にクマでもつくったらどうだと羨ましくなる。
おまけに男の精液は蛋白質なので、それを体内に取り込んだ久美子の肌はプルプルで、夜明け前に拓哉がギブアップしたから甘い時間を終えたけれど、もし、彼が超のつくほどの絶倫であれば搭乗時間の事さえ忘れてヤリまくっていたかもしれない。

『こりゃ、先が思いやられるな…』

こうなったら、体力をつけるために、ハネムーンから帰国したらジムにでも通って筋力アップせねばならないと思った。

「あなた、お疲れモードね」

そりゃそうだ。四十代のオジサンを若い奴らと一緒にしないでもらいたいな…

心でそんなことを思いながらも「いや、全然大丈夫さ。少しだけ寝不足気味だけどね」などと強がりを言った。

やがて搭乗が始まり、二人はプレミアムエコノミーという座席に落ち着いた。

「こんな席種で良かったのかい?
長旅なんだ、ファーストクラスでもよかったのに」

「確かにファーストクラスなら乗り心地はいいでしょうけど、このプレミアムエコノミーならカップルシートのようにくっついて座れるんですもの」

なるほど、センターの肘置きを畳んでしまえば、ベンチシートになって、くっついて座ることが出来た。

イチャイチャするのにもってこいのシートというわけか。
なるほど、周りを見ても新婚カップルばかりのようだ。
だけどね、僕の体力は限界だよ。
座席に座るとたちまち睡魔が襲ってきて、拓哉は離陸と共に深い眠りに落ちた。

パリのド・ゴール空港まで約15時間。
かなり眠ったはずなのに、目を覚まして窓の外を見てみると、太陽の位置は離陸前とさほど変わっていない。

「あなた、目を覚ましました?」

私は一人ぽっちで退屈だったわと頬を膨らませて拗ねた表情を浮かべながら拓哉に抱きついてくる。

「おいおい、みんなに見られたら恥ずかしいよ」

「大丈夫よ。周りの皆さんもくっついているじゃない」

周りを見渡すと確かに誰も彼も体を寄せあっていた。
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