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あなたに抱かれたい
第8章 フォトウェディングを終えてハネムーンへ
数日後、フォトウェディングの日がやってきた。
撮影スタジオの控え室で久美子の両親と拓哉の娘と息子が初対面した。
高校生の娘と中学生の息子と聞いてはいたが、
久美子の両親の頭の中ではまだまだ幼い子供を想像していただけに、身長や体格など、自分達よりも大きい彼の子供たちに久美子の両親は目を白黒させ『本当に久美子はこの子たちの母親として立派に務めあげることが出来るのか』と心配になった。
「初めまして、篠塚茉優です」
「長男の正弥です」
よほどしっかり育て上げたのか、二人は丁寧に久美子の両親に自己紹介をした。
『良かったわ…思春期だからグレていたらどうしようかと思ったけれど、この二人なら快く久美子を迎え入れてくれるに違いない』と安堵した。
新郎の拓哉の方が仕上がりが早く、ほどなくして控え室にやってきた。
「パパ素敵…」
タキシードを身に纏った拓哉は、どこからどう見ても素敵な男だった。
娘の茉優でさえ惚れてしまうようだった。
「馬子にも衣装って言いたいのかい?」
拓哉は照れながら、そんな軽口で自身の緊張を解きほぐそうとした。
二度めの結婚といえども、こうして新婦を迎えるのはやはり緊張する。
「拓哉くん、娘をどうかよろしくお願いしますよ」
いくぶん二人の結婚には乗り気ではなかった久美子の父も、立派な新郎の姿に、彼ならばきっと久美子を幸せにしてくれるだろうと確信した。
「今日から私たちが、あなたたち姉弟のおじいちゃんとおばあちゃんよ。どんどん甘えてくれていいからね」
久美子の母である恭子がそう言うと「じゃあ、お年玉を期待してていい?」と正弥がちゃっかりとお年玉を催促したので「バカ!」と姉の茉優が正弥の頭を叩いた。
そんな姉と弟のやり取りに場が和み、ほのぼのとした雰囲気の中「新婦さまのご準備が整いました」と係の女性が控え室にやってきた。
控え室のドアが大きく開かれ、ウェディングドレスに着飾れた久美子が姿を現すと、両家の誰もが「ほぉ~」っと感嘆の声をあげるほど美しい花嫁姿を披露した。
繁々と見惚れていた久美子の母がポロポロと涙を流して「幸せになるのよ」と久美子の手を取った。

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