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華のしずく~あなた色に染められて~
第3章 【華のしずく】~夏雷~
「清林院様といって、京の公卿の姫君であられたという。長らくお子に恵まれなかったそうだが、嫁いで十年も経って、姫を一人お生みあそばされたと聞いたがな」
「まあ」
 珠々は信成の話に聞き入った。嫁して長く子のなかった清林院の話は、どこか自分の身上と重なるものがあったように思えたからだ。
「気高く花のように凛としたお方であられというが、絵もたしなまれたそうな。確かに、たいした腕前だ」
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