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第5章 完結:眠れないので紅茶とお菓子でリラックス

夜月家にやってきてメイドとして雇わされた奈々は毒親からの後遺症で目が冴えてしまい夜中眠れずベッドから起き上がり冷蔵庫の中に食べ物があるか念入りに調べてたら背後に気配が

秋都「奈々ちゃんもしかして眠れないの？」

「はい実はその小腹がすいちゃって」

「そうなんだ。実は僕も小腹がすいてね調理場でお菓子を作ろうと思ってたんだ。」

秋都の癒やしの声に奈々の緊張が少しずつほぐれてゆく。調理している秋都の邪魔にならないように距離をはなすと

「逃げないで。僕の傍にいて。僕がクリスタルケーキ調理してる姿ーーよく見てて」

優しいだけではなく男の顔をする秋都のギャップとの違いに奈々の心境が変化する

「秋都特製″アフタヌーンセット″だよ～蜂蜜入りカモミールティー付きだよ♪」

「わぁ美味しそう♪」

「冷めないうちに召し上がれ」

アフタヌーンセットとカモミールティーなんて生まれて初めてだ。ナイフでケーキを切るとサクサクと心地よい音で癒やされてゆく。フォークで刺して食べてみたらまるで角砂糖を食べてるような食感ーー

「美味しい？」

「カモミールティーもハチミツの味がまろやかで凄く美味しいです！」

「良かったーやっと笑顔になった。奈々ちゃんこの家に来てからずっと辛辣な顔してたから安心したよ。」

「ごめんなさい。秋都さんにまでご迷惑をおかけしてーー」

「そんな顔しないで。君はこの世のどの女性よりも一番″魅力的″なんだから。ごめんなさいは禁止ーーだよ」

「ごめーーっ!ありがとう••」

「うん。そのポジティブな笑顔が見たかった。凄く″かわいい″」

かわいいと言われたのは生まれて初めてだった。人に優しくされたことなど一度もなかった。暗くて邪魔者扱い。でも今は違う。少しくらい信じてもいいよね?